「いたずらした奴を出せ」。
教官の言葉に恐怖を覚えた。
ここは長野県諏訪市。
完全アウェイの地。
まして、昨日今日で仲良くなった仲間。
さらには、人の女にいたずらしてしまって言語道断。
ここでしらを切っても事が大きくなるだけ。
ここまで来て千葉に強制送還も困る。
仕方ない。
「いくか・・・。」
悪さをした同部屋の仲間と違う部屋の仲間計5人を誘い表に出た。
ウッ!
そこには、イカツイ男が2人とさきほど、ツンツンされた女が1人仁王立ちしていた。
女の彼氏らしき男が言った。
「お前らか、俺の女に変なことした奴らは」
・・・・
「は、はい・・・・」
男はさらに続けた。
「よし、お前ら全員そこに正座しろ」
僕たち5人は一列に正座して並んだ。
玄関付近を見ると噂を聞きつけ合宿所の生徒が大勢見物していた。
女のほうをチラッとみると腕組みをしてこちらを睨み付けている。
男は女に言った。
「誰に何されたか、お前覚えているか?」
女は言った。
「そんなの覚えてないよ、暗かったし」
そうか。
男は一番右側にいるA君の前に立ち、言った。
「お前、何した?」
A君は言った。
「あ、足を触ったような気が・・・・」
バコンッ!バコンッ!
私は一番左側にいるA君が殴られたのを見なくてもわかった。
男が左にずれた。
B君の前だ。
「お前、何した?」
B君は言った。
「肩に手を回したような・・・・」
バコンッ!バコンッ!
私は真ん中にいた。
所謂(いわゆる)C君は私だ。
男は私の前に来て同じセリフを言った。
「お前、何した?」
私は悩んだ。
嘘を付けばいいのか?どうする時間が無い!
今であれば、体罰はいけません!と言えるのだろうが、昔は関係ない。
まして、こいつ先生じゃないし・・・。
私は言った。
「胸を触ったような気が・・・」
バコンッ!バコンッ!バキッ!
ん?一発多いぞ、この野郎!
と、言えるわけも無く・・・・
真摯に愛のムチを受け止めた。
全員が殴られた。
今、思えばヤクザではないだろう。
チンピラか。
その後、皆でその女に土下座をし終わった。
土下座の和ちゃん誕生の瞬間である。
怖かったけど楽しい19歳の春合宿であった。
皆さんも気をつけてください。
完
本日1月20日(日曜日)、
夜の部は貸切宴会となっております。
ご迷惑おかけしますが、宜しくお願い致します。
それでは、また明日。
千葉餃子 ボンズ
店主
関 和孝
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