プロ野球カード （下）

昨日のブログの続き・・・


夕方になり、その委託業者ではなく稲毛区役所の職員から再度、電話があった。

「探したんですけど、どうやら無いらしいです・・・」

私は、息子が何処か違う場所で無くした可能性もあると思っていたので、

気持ちよくその言葉を受け入れた。

「そうですか、しょうがないですね。わざわざすいませんでした。」

と、ここで終われば良かったんだが・・・

その職員が電話を切る間際にこんな言葉を発した。

「缶はあったはあったんですけど、お宅さんが言っている缶と色が違ったみたいなんですよね～」

？？？

はぁ～？

私は言った。

「今、缶はあったって言いました？」

職員は言った。

「えー、あったんですけど、お宅さんは赤っぽいって言ってましたけど、

クリーム色っぽいんですって」

私は言った。

「それってさっき話した手のひらサイズの缶なんですか？」

職員は言った。

「えー、そーみたいですよ」

そこで私の怒りは一気に爆発した。

「オイ！俺はカンカラ探してんじゃねーんだよ！その中身のプロ野球カード探してんだぞ！

野球場で手のひらサイズのカンカラが三つも四つも落っこちてるわけねーだろが！」

「その赤っぽい缶には何が入ってたんだよ！」

職員は言った。

「確認してません」

私は言った。

「お前！ふざけんじゃねーぞ！カンカラの外見の色が違うだけで中身も確認させねーのか！

何度も言うけどな！俺はカンカラが欲しいわけじゃねーんだよ！プロ野球カードを探してんだよ！

そもそも、カンカラの１０メートル先でキャッチボールしてる親子がいたら、その親子の物って、

思わねーか！カンカラの中身も確認しねーでゴミ袋に入れるか？それじゃ、

泥棒と同じじゃねーか！すぐ確認させろ！そんで折り返しのすぐ電話よこせ！」

電話を切ると５分後に折り返しがかかってきた。

職員は言った。

「スイマセン・・・暗くて確認できないそうです・・・」

私は言った。

「な、な、何・・・。確認できない・・・。」

もう怒りを通り越して呆れていたと同時にその赤っぽいカンカラだと確信があったので、

「わかりました。明日の朝一で確認して連絡ください、でもやっぱりありませんでしただけは、

言うな。」とだけ言って電話を切った。

翌朝、電話がかかってきた。

職員が言った。

「スイマセン・・・プロ野球カードが入ってました・・・」

一晩経っているので私は怒りもせず、言った。

「ありがとうございます。ただ、ゴミを拾う時は中身を確認させた方が良いですよ。

ヤクザなら１００万円入ってたから弁償しろって言われますよ。」と。

数時間後、無事にカンカラに入ったプロ野球カードが届いた。

確かにカンカラをここに置いたと言った息子を疑ってしまった自分を責めると同時に、

何とか取り戻した安堵感と達成感が込み上げてきた。

しかし、未だに何故、中身の入ったカンカラを捨てるのか？

ひょっとして、孫にでもあげよう、ラッキーとでも思って盗ったのか・・・。

答えは出ない・・・・

皆さん、子供は嘘を付くものですが、嘘を付かない時もあります。

その見分け方は難しいですけど・・・。


缶

じゃない、


完。


今日も一日、頑張りましょう！


千葉餃子ボンズ

店主

関　和孝