ポスティングの悲劇といっても大リーグのポスティングでなくチラシ配りのポスティングのことである。
ちっちぇー話しであるが、聞いて下さい。読んで下さい。久々の長文ですが・・・。
昨年の話しだが、ボンズの手配りチラシを作成したのでお店が終わってからバイトのみかた君と
近隣マンション及び一戸建てにチラシを配りに出かけた。いわゆるポスティングである。
今のマンションには、ほとんどと言って良いほどチラシ厳禁とか許可を得ろなど書いてある。
書いてあるのはあるのだが、エロビデオの宣伝チラシでもなく、デリバリーヘルスのチラシでも
ないので、暗黙の了解というところも多い。
もちろん、ポストに直接「チラシ入れるな!」と書いてある世帯には入れない。
そんなことで夜の12時くらいで用意していた2000部がほぼ無くなろうとしていた。
私は、どうしてもチラシを入れたいマンションがあったので残りをそこに入れようと思い向かった。
そのマンションは稲毛の駅から徒歩7、8分の高級マンションである。
エントランスも確かに豪華だ。私のニッカポッカ(作業服)が浮いてみえる。
「どうかな、やばいかな?」と思いながら中に入った。
するとやはり、チラシ厳禁!と正面に書いてある。先に書いたとおり、お約束である。
一応2、3軒のポストをチラッと見ると中には何も入っていない。今までのマンションでは、
有り得ない光景だ。普通は何枚かチラシがすでに入っている事が多い。
ちょっと嫌な感じもしたが、ポストに何も他チラシが入っていないということは、
千葉餃子 ボンズが独占! こういうときは良いことしか考えない。
「よーし、みかっちゃん(みかた君)、入れるぞ!」
みかっちゃん 「え! あ、はい・・・」
二人で手分けしてキツツキのようにチラシを入れ始めた。
その時・・・
背後から「何をしてるんだ!」と大きな声が聞こえた。誰に言ってんのかな?
深夜12時過ぎに大きな声だすんじゃねーよと思いながら私は手を止めなかった。
再度「何をしてるんだ!!」今度はかなりデカイ声だったので私は手を止め振り返った。
そこには、ビシッと制服を着た警備員が怒り立っていた。
3回目の「何をしてるんだ!」が飛んできた。
見りゃわかんだろが、チラシ入れてんだよ!と言いたかったが明らかに分が悪過ぎる・・・
私は「チラシ入れてんだけど」だけ言った。
すると警備員はふて腐れた私の態度に怒り心頭となったのか、
「ここは私有地ですよ!勝手に入ってはいけないところなんだよ!」と
超スーパー大きな声で言ってきた。
大きな声で文句言われると逆に頭にくる私は「駄目なの!」と言い返した。
その時。
隣のみかっちゃんを見ると腰を90度に曲げ、「申し訳ございませんでした」とひれ伏している。
あ、あれ?みかっちゃん・・・そ、そんな・・・
私の戦闘能力も一気に消沈し、「す、すいませんでした・・・」
それから5分ほど警備員からお説教をくらいながら思った。
人に怒られるのって何年振りだろう?40歳にして怒られてる自分ってちょっと新鮮・・・
最後には警備員さんも良い人だったようで、「餃子屋さんもお客さん呼ぶのに大変だろうけど、
ここのマンションは厳しいからさぁ」と優しい言葉をかけてくれた。
聞くところによると2人体勢で24時間警備に当たっているという。
トボトボと、みかっちゃんと二人マンションを出るときみかっちゃんが私に言った。
「関さん、あれは分が悪すぎますよ」って。
分が悪いつったって90度に腰曲げて謝ることかい?と言いたかったが、
みかっちゃんのお陰で丸く収まった感もあるので「そうだね」とだけ言った。
朝日が二人を照らす中、微笑んでる自分がいた。
おわり
この作品を芥川賞にノミネートさせて頂き、見事、賞をとったら、
「もらっといてやる」
と言いたいです。
ご清聴ありがとうございました。
千葉餃子 ボンズ
関 和孝
2 件のコメント:
厳重注意で良かった。通報去れたら有名人だよ。みかたさん大人な対応ご苦労さん♪
はい、以後気を付けます。
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